メニュー
  •  

医療の会社が、キャラクターに白衣を着せなかった理由

このサイトのあちこちにいるワンちゃんに、お気付きでしょうか?もしかすると、展示会やリーフレットでお見かけいただいた方もいらっしゃるかもしれません。スマートワンヘルスの看板犬で、名前は「スマワン」といいます🐶

この記事では、この子ができるまでの裏話を、デザイン担当からこっそりとお届けします。

目次

  • 🐶 プロジェクトの立ち上げ
  • 👀 経営陣に突きつけられた「私たちらしい医療とは?」の問い
  • ✍️ 共通言語とイメージ作り
  • 🎨 キャラクターデザインへの落とし込み
  • 🎉 そして、ようやく……「スマワン」誕生!
  • ✍️ おわりに(編集後記)

  • 🐶 プロジェクトの立ち上げ

    はじまりは「アプリの中で動く相棒がほしい」というプロダクト開発上の要望からでした。

    スマートワンヘルスは、企業が従業員の健康管理を行うためのシステムです。従業員の皆さんは「スマワン」を通じて、会社へ健康診断の結果を報告したり、受診の連絡をしたり、オンライン診療を受けたりできます。

    ただ、本当のところ……こうした場面で企業(人事・上司)から届くメッセージは、どうしても「うわ、会社から連絡だ」「面倒くさいなぁ」と受け取られがち。そこで、キャラクターをおくことで、同じ言葉を「自分を応援してくれる第三者からの声」として届けたい。そんな背景から、プロジェクトが立ち上がりました。

    モチーフの動物は、愛犬家である事業部長によるゴリ押し……ではなく、「スマートワンヘルス」から「ワン」をとって、犬に決定。社内でもサービス略称を「スマワン」と呼んでいたこともあり、「スマワン、いいね!楽しみにしてる!」と明るい声が飛び交っていました。

    しかし、大仕事はここからだったのです。


    👀 経営陣に突きつけられた「私たちらしい医療とは?」の問い

    「スマートワンヘルス」は、ただ健康データを管理するだけのサービスではありません。データを生かして人と医療を繋ぎ、本当に健康な組織をつくること。それが、私たちの目指すゴールです。その中で「スマワン」は、アプリ画面という最前線に立ち、ユーザーをサポートする存在になります。そこで、当社で最も長く「医療」に向き合ってきた代表の武藤・園田とともに、ディスカッションの場を設けることになりました。

    しかし……「スマワンのコンセプト相談」の会議で二人から投げかけられたのは、「スマワンって、どんな存在なんだろうね」「私たちの考える『医療』が、犬になったらどうなるんだろう」という問いでした。

    なぜ、そんな大きな問いがでてきたのか。実はここに、私たちが創業当初から考え続けている「未来の医療があるべき姿」が関係しています。一般的に「医療」と聞くと、「病院の診察室へ出向いて、お医者さんと数分だけ話すもの」というイメージが強いと思います。しかし私たちは、医療そのものの価値は大切にしながら、AIやデータの力を活かし、もっと私たちの生活に寄り添うような存在にしていきたい、と考えていました。

    だからこそ、スマワンを本当の意味で”私たちらしく”するために、この問いが必要だったのだと思います。

    スマワン ちょこっと「こぼれ話」

    とはいえデザインを担う立場としては、一筋縄ではいかないオーダーでもありました。クリエイティブのプロではない経営陣を含め、抽象的なイメージを、みんなで共有できる言葉にし、キャラクターの造形に落とし込む。個人的にもキャラクターの制作は初めてだったこともあり、貴重な機会にとてもワクワクしたのを覚えています😎


    ✍️ 共通言語とイメージ作り

    さっそく、迫り来るローンチ日を見据え、まずはイメージを少しずつ言葉に変えていくところから始めました。「悪いところを治すというより、日々に伴走して健康を一緒につくっていく」「マイナスをゼロに戻すよりも、ゼロをプラスにしていく(予防・ウェルビーイング)」……スマワンはそのときに「穏やかにそばで寄り添っている存在」。そうして少しずつ、手掛かりになる言葉やイメージを膨らませていきました。

    この議論のなかでひとつ、印象的だったのが、今も在宅医として臨床現場に立つ武藤が、白衣を着ないというエピソードです。その理由は「もともと『医師が汚れないように』と生まれた装いだからね」とのこと。そこから派生して、診る側と診られる側に線を引くようなイメージも、私たちの目指す医療とは少し違うよね……と、会話を深めていきました🧐

    スマワン ちょこっと「こぼれ話」

    サービスカラーである青みの強い色も試したのですが、どうしても顔色が悪く(😨)見えてしまい、不健康そうな印象が強かったことから、見送りに。そこからあたたかさを重視して模索し、現在のやわらかいグレージュに落ち着きました🐶

    また並行して、視覚化の土台とするため、たくさんの写真を並べながらスマワンの輪郭を探っていきました。その中でたどり着いたのが、この1枚です。

    自宅のリビングでのんびりと過ごしているワンちゃんと、それをあたたかく見つめる、飼い主らしき男性。特別な風景ではなく、当たり前の毎日の暮らしに寄り添っている……これが、スマワンのイメージの核となりました。

    とても難解で時間もかかるプロセスでしたが、「スマワン」に血を通わせる、とても大切な時間だったと思います。


    🎨 キャラクターデザインへの落とし込み

    こうして作り上げたコンセプトをもとに、いよいよデザインとして、キャラクターの造形に落とし込んでいきます。ここではさらに、以下の2点を意識しました。

    1点目:とにかくシンプルに!

    じつは今回の制作にあたって、当初から危惧していたことがありました。それは「要素を加えてしまうほど、キャラクターが説明的になってしまう」こと。例えば「医療」の表現として「白衣、聴診器、カルテ」を持たせ、さらに「身体をブランドの色に」「サービスの頭文字も持たせよう」……など、思いつくままに要素を足していった場合……キメラとでも呼べば良いでしょうか、謎の生き物になってしまうのが目に見えていました。

    プロダクトの看板犬として活躍してほしいのに、初対面の第一印象で「なんだこいつ?🤔」と思われてしまっては、本末転倒ですよね。だからこそ、足し算ではなく「どこまで引き算できるか」を、強く意識していました。

    2点目:どんなサイズで使われても綺麗に見える(拡張性)

    スマワンは、アプリストアのアイコンなどスマホでの表示のほか、展示会のパネルや壁面といった印刷物など、幅広く活用する予定があったため、デザインもミニマルで極力シンプルなものである必要がありました。

    これらのポイントを踏まえつつ、事例を調査しながら検討を重ね、最終的には次のような要件へ落とし込みました。

    「となりにいる、信頼できる相棒」。

    • 人のとなりにいる、ふつうの犬。ユーザーの毎日に自然に溶け込み、忠実な味方として、本人が主役の健康にそっと伴走する存在。
    • 白衣・聴診器などの医療/健康イメージのモチーフやグッズはNG。

     

    医療の会社が、医療のモチーフを手放したこと。一見すると矛盾しているようですが、とても私たちらしい選択だったと思います。

    スマワン ちょこっと「こぼれ話」

    サービスカラーである青みの強い色も試したのですが、どうしても顔色が悪く(😨)見えてしまい、不健康そうな印象が強かったことから、見送りに。そこからあたたかさを重視して模索し、現在のやわらかいグレージュに落ち着きました🐶


    🎉 そして、ようやく……「スマワン」誕生!

    このようなコンセプトを取りまとめ、実際のキャラクターデザインは外部のイラストレーターさんへ依頼しました。イラストレーターさんからもご提案をいただきながら、以下2つの方向性で模索することにしました。

    • A案:信頼で寄り添う犬。 立ち耳に、きりっとした表情。ベタベタ甘えず、静かに見守るタイプ。「見られているから、やろうかな」と思える距離感。
    • B案:共感で寄り添う犬。 垂れ耳で愛嬌がある。完璧すぎず隙があり「うちの子」感のある存在。「この子と一緒に育っていきたい」と思うような、あたたかさがある。

    複数の下絵をもとに細かなパーツや表情を詰めていく段階でも、ユーザーである「働く人」にどう寄り添うか」を軸にしました。子犬やぬいぐるみのように「可愛らしい、愛玩する対象」ではなく、「対等に隣を歩く成犬」が良いのでは……そうして試行錯誤を重ね、柴犬をベースとした現在のデザインへとブラッシュアップしていきました。

    さらに最終的な色味の調整を経て、ようやくできあがったのが、この子です。

    イラストレーターさんからのご提案も取り入れながら、小さな仕掛けをいくつか忍ばせています🐾

    • 胸のハート模様:「人と人との繋がり」のしるし。私たちのコアバリューのひとつ「Humor(人を想うあたたかさ)」を重ねています。
    • 首輪のワンポイント:サービスロゴをデフォルメしたアイコンをあしらいました。
    • 左右対称:小さな画面でもつぶれず、安定して見えるように。医療ドメインであることから、見た目にも「安定して見える」ことを重視しています。

    ✍️ おわりに(編集後記)

    最後までお読みいただき、ありがとうございました。キャラクター1匹にずいぶん大げさな、と思われたかもしれません。でも、この真剣さは、そのまま私たちが皆さまの健康に向ける想いと、地続きです。

    これからも「スマワン」を、どうぞよろしくお願いいたします💌

     

    ご面談時にスマワンのステッカーをお贈りしています。全6種類、お好きな表情をお選びいただけます◎ 「ちょっと話を聞いてみようかな」はもちろん「ステッカーが気になる!」という方も、お気軽にご連絡くださいね☺️

    スマワンのステッカーをもらう(オンライン面談を申し込む)

     

    スマワンが登場しているほかの記事も、よろしければご覧ください

     

    この記事を書いた人:落合。インハウスデザイナー兼マーケティング担当として、スマートワンヘルスに携わっています。スマワンの生みの親のひとりです🫶